メキシコシティで暮らすmangoの超・私的通信


by mangorico3
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骨董屋さんにて

会社にほど近い場所に、Zona Rosa(ソナ・ロサ)という地区があります。
レストランやカフェ、服屋さん、ホテルなどが集まっている、にぎやかなところです。
その中に、骨董品を扱うお店が集まった、Plaza del Angel(プラサ・デル・アンヘル)という建物があります。
毎週土曜日には、さらにたくさんの骨董品屋さんが集まって、市が開かれます。
先日仕事の帰りにたまたまその近くを通ったので、ちょっと立ち寄ってみました。
そこで私の目を引いたもの・・・
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ティーポットと茶壷(お茶の葉をいれておく)と思われるもの、そしてティーカップのセット。
ポットの取っ手とふたは、龍をかたどっているようです。
そして、そこに描かれている絵は・・・
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サ・サムライ!!!
写真がわかりにくくて申し訳ないのですが、どうやらこれは大名行列のようです。
ティーセットにサムライ模様!?
一体誰がこんなものを?!

あわててお店のおじさんに、「こ、これ見せてもらえますかっ!」とお願いしました。
カップの裏には、『安井』という印がはいっています。
「それはサツマだよ。19世紀のものだね」
というおじさん。
サツマ=薩摩?
てっきり、『幕末に日本を訪れた外国人が、日本を珍しがって作らせたティーセット』かと想像していた私は、これが日本人の手によるものだと聞いてびっくり。
うろ覚えだけどそういえば、日本が開国してから、陶器(か磁器)を外国に輸出していた、と聞いたことがあります。
その陶器を包むのに浮世絵が使われていて、焼き物よりも浮世絵の素晴しさに人々は驚いた、などなど。
だから、このティーセットが日本製で、外国に輸出されていたということは、納得できました。
しかし、なぜサムライ柄?
そして大名行列?
ティーカップといえば、蝶や鳥や花など『美しいもの』が描かれた、優雅なものではないでしょうか。
一方サムライは戦士で、優雅とは遠いイメージにあるような気がします。
それにサムライを描くなら、なぜ武術を行っているシーンではなく、大名行列なのでしょうか。
日本から西洋に輸出する陶器に描く、日本のイメージ、もしくは紹介したい日本の姿とは、サムライたちが城主をかごに乗せて城内を歩く(もしくは江戸へ向かう?)大名行列だったのでしょうか。

なんだこれは?!と衝撃を受けたティーセットですが、江戸時代末か明治初期の日本人が、こんな私をびっくりさせるような物を作っていたことが、とても嬉しいです。
サムライたちの顔をよく見ると、どの顔も穏やかで、どこか楽しそうで、なんだかとても平和な雰囲気がただよっています。
これを見た外国の人は、日本のことをよく知らなければ、お祭りかパレードの一場面かと思ったかもしれません。
もしくは当時、大名行列というものは、本当にパレードのようなものだったのかも・・。
最初に見たときは、「サムライ柄のティーセットって、あんまり食欲出ないなあ」と思ったのですが、だんだん、そこに描かれている世界がガリバー旅行記の小人の国のように思えてきて、ミニチュアのサムライたちのパレードがかわいらしく思えてきました。
カップの内側には、こんな絵が描かれているんですよ。
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これまた意味不明な場面ですが・・でもかわいいでしょう。

このティーセットには、7500ペソ(約75000円)というお値段がついていました。
欲しいけど・・・ちょっと手が出ない。
「いつでも見にくればいいよ」と、お店のおじさんは言ってくれました。
時間と国を超えて、こんなところで出会ってしまったティーセット。
せっかくなので、もう少し誰かに買われずにそこに居て欲しいです。
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もし、これが作られた当時の時代背景に詳しいかたがいらっしゃったら、解説をお願いします。
もしくは、一緒にあれこれ想像してみませんか。
これを作った人は、どうしてこんなデザインにしたのかな、とか。
これを見た西洋人は、どう思っただろうかな、とか。
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by mangorico3 | 2006-09-25 10:50 | メキシコシティ